結婚前の両家のはじめての顔あわせで…。

彼と付き合って八か月ほどたったとき、実家にたまたま帰省した際、男とは全く無縁だと思っていた同じ年の従妹の結婚報告をうけ、結婚式の招待をされた。

都内の家に戻り、家に遊びに来ていた彼に「全く男の気配のない従妹が結婚した!いいな、いいな…」と愚痴をこぼしていたら、突然「じゃあ、目をつぶって」と言われた。

その当時、私たちの間でメガネをずらしてかけて相手を笑わせるというのがプチブームになっていて、絶対、それをやるのだろうと思って目を閉じた。

「えぇ~何、何?」

と言って、完全に分かった笑う準備をして、パッと目をあけると、彼がキレイな箱にはいったプロポーズリングを持っていた。

そして

「結婚しよう。ダメ?」

と、言ってきた。完全に自分の部屋のキレイとも言えない布団の上だったけど

「……ダメじゃなぁ~いっ!」

と叫んで彼に抱き付いて号泣した。

「本当はちゃんとしたレストランとか予約して伝えようと思ったけど、部屋の方が俺たちらしいし、お前は声が大きいから、こんなの見せたら叫んじゃうと思って…。」

と言われ。

「うん!ここでいい!レストランじゃなくていい!よくわかってるね!」

と、返した。

こうして、あっさりとプロポーズが済み、互いの両親にも挨拶を済ませ、いよいよ両家の顔合わせを行うことになった。

自分たちが都内で暮らしていたため、両家の顔合わせは、お互いに田舎から両親に出てきてもらうことにした。店もきちんとリサーチして赤坂のちょっと高級な料亭のランチを予約して彼はスーツ、私はきれい目のワンピースを準備した。

私の母親はとにかくおっちょこちょいで、こういう大切な行事があるときには必ず何かをやらかすことが多いので前日に「絶対にヒールの靴ははいてくるな!」と念をおしておいた。

にも関わらず…当日を迎えると、朝6時ころに母親から1通のメールが届いていてそれを見ると。

「案の定、転びました。」

という1文が。

娘の人生で一番大事な結婚というものが決まって、はじめて彼のご両親に会う日に限って、これ…。もう、腹が立って仕方がなかった。

赤坂の地下鉄の改札付近に迎えにいくと、母親のひざのあたりのストッキングはビリビリにやぶけていて、そこにバンソウコウを何枚も貼り付けている。

父親にも「なんでちゃんと見てないの!」と八つ当たりすると

「しかたないじゃん。母ちゃんだもん。」

と最初から分かり切ったかのような返答が返ってきた。

なんで、この日に限って…。

料亭に到着すると、掘りごたつの席ではあったが彼のご両親はきちんと掘りごたつから出て、正座をしてご挨拶をしてくださる中で、私の母親は完全に部屋の入り口で仁王立ちのまま。

「どうも!はじめまして!転んでしまって正座ができなくて。あははは。」と言い放った。

しっかりしている固い感じの彼のご両親を前にして、とてつもなく恥ずかしかった…。頭にきすぎて、両家の挨拶が終わった後に、彼に母親の悪口を散々いったら。彼から。

「でもね。その半分の血が自分に流れてること忘れちゃダメだよ。気付いてないかもしれないけど、お前もそういうところあるからね。」

と言われてしまった。

彼のご両親や彼自身に「失礼で恥ずかしい家族」と思われなかっただけ良かったと思おう。

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