人を想う気持ちの大切さを教えてくれた人。

これは私が高校生の時に体験した貴重な恋愛の思い出です。当時高校2年生だった私は、29歳で1人の娘を持つ年上の女性と付き合っていました。26歳の時に離婚、シングルマザーになった女性です。結果として高校卒業目前に別れたのですが、その期間の体験は非常に思い出深く貴重な時間だったと今でも思います。

出会いは私がよく利用していた喫茶店。文学少年とは言いませんが、静かな喫茶店で読書をするのが私の休日の日課でした。彼女はその喫茶店で働いていて、挨拶程度の会話ですが何度か話した事はありました。

親交を深めるきっかけは一冊の推理小説。私がいつものように読んでいると、彼女に方から声をかけてきました。「その小説って面白いよね。展開が読めなくてワクワクする。」と、彼女も読んだ事がある様子でした。こんな些細な会話がもとで、私は彼女に興味を持ちました。

それからも何度か喫茶店に通っていたある日、天気予報が見事に外れ大雨が降って来た日がありました。しばらく止みそうになく傘を持ってなかった私が困っていると「車で送ってあげる」と彼女が言ってくれました。さすがに悪いと思い断ったのですが、遠慮するなと気づけば車に乗せてもらっていました。

送ってもらってる途中「ちょっと寄り道するから数分我慢して」と言ったので大丈夫ですと答えました。すると車は幼稚園へ。彼女は車から降りて数分後に可愛らしい女の子を抱きかかえて戻ってきました。私の顔を見て「ビックリした?私シングルマザーなんだよね」と、笑顔でそう言いました。

これを機にさらに彼女に興味が沸きました。正直その過程に興味があったのも事実です。それからも喫茶店での会話、彼女の仕事が終わる時間と私の帰宅する時間が合えば送ってもらうとゆう事が何度かありました。彼女の終わる時間を狙っていたのもありますが。今思えば軽いストーカーなのかな?とも思います。

ある日の喫茶店からの帰りに、私は勇気を持って告白してみました。興味が愛情に変わっていたからです。当然10歳以上離れた高校生の私との交際に彼女は戸惑っていました。もちろん子供の事もあります。それら全部含め真剣な交際をとゆう私の気持ちに、最終的には折れてくれた形での了承。

それから何度かデートし、子供も一緒に遊ぶようになりました。しかし就職活動が本格的に忙しくなってきた高校3年の夏頃から、すれ違いや喧嘩などが増えてきました。

そこで私は言ってはいけない言葉を口にしてしまったのです。
「就活が忙しい。だって3人で生活できるだけの給料をいきなりもらえる会社なんてそうそう無い。普通の就活生とは違うの!」捉え方によれば子供の事を思っていると聞こえますが、当時は確かに子供が重荷に感じていたのも少なからず事実。そんな感情の言葉はただトゲがある暴言に過ぎませんでした。

「あなたは子供に対する思いも普段の行動も、私に合わせて無理に大人ぶっていた。無理をさせてゴメン。これからの大事な時期に私達は重荷になるだけだから終わりにしよう。」そう告げられました。引き留めましたが彼女の意思は固く、なにより私といる事が逆に彼女を辛くさせてしまうと思い別れを決意しました。

それ以降あの喫茶店には立ち寄れませんでした。彼女のその後も分かりません。
現在私は結婚し子供も生まれました。あの時彼女が言った子供へ対する私の思いが浅はかだった事、今なら分かる気がします。